約71万社との取引実績を誇るSIerにして国内最大級のソリューションプロバイダである大塚商会。同社のテクニカルソリューションセンターでは、各製品技術に関するナレッジ蓄積、各事業拠点への教育およびサポートを実施している。
同センターでは2005年4月に「OKWave ASK-OK」を導入し、社内Q&Aコミュニティ「教えて!Web」を開設。「教えて!Web」は2,700名ものエンジニアが参加する Q&Aナレッジコミュニティに成長し、日々活発なQ&A形式の情報交換がなされ、必要かつ有益な技術情報の蓄積が進んでいる。今回、導入から運用までを担当しているテクニカルソリューションセンターの米森氏にお話をうかがった。
大塚商会とは
OKWaveとの出会い

Question > さて、弊社のQ&A情報活性化ツール「OKWave ASK-OK」を用いた「教えて!Web」を運営されて2年が経ちますが、当初「OKWave ASK-OK」を導入されたきっかけは何だったのでしょうか。
当時、テクニカルソリューションセンターでは業務遂行に際して3つの課題がありました。1つ目は、各事業拠点の技術者に製品知識等の技術情報の共有が進んでいなかった点、2つ目には、事業拠点から本部(テクニカルソリューションセンター)への問合せは同じような質問内容が多く、本部の業務負荷となっていた点、そして3つ目には部門としての共通するナレッジシステムがなかった点です。ナレッジシステムに関しては各課で独自のWebサイト等での情報共有は行っていたものの、共通の仕組みやルール作りがなされていませんでした。
Question > それで、これらの課題を解決するソリューションを検討された、ということですね。
そうですね。技術部門が中心になって業務効率改善やサポート品質向上を検討する委員会を全社横縦で作り、その席でナレッジ共有の必要性が議論されました。それを受けてナレッジ共有ツールの検討がなされ、「OKWave ASK-OK」も検討対象となりました。
Question > 最終的に「OKWave ASK-OK」に決定された決め手は何だったのでしょうか。
ツールの検討に当たっては、ブログツール等、様々なツールをテストしましたが、Q&A形式でナレッジを蓄積していくという同システムの完成度や画面操作等の使い勝手の良さ、そして多くの導入実績から「OKWave ASK-OK」の導入を決めました。
Question > 導入に関して、社内調整等の苦労はありましたか。
導入に至るまでは様々なツールを検証しましたが、上層部も問題解決のために協力的でしたのでとくに社内調整等の苦労はありませんでした。
導入効果
Question > 運用のお話に移りますが、どのような社内体制で「教えて!Web」を運営されているのでしょうか。
専任部署や専任担当者は置かず、運営委員会を立ち上げ、日々の業務と平行して運用しています。導入からカットオーバーまでは2ヶ月ほどの期間でしたが、テクニカルソリューションセンターの各課から委員を選出するとともに、各事業拠点からも代表を出し、仕様等を策定しました。
現在では、利用する部門も導入当初より増えたため、20名ほどが委員会に加わっています。
Question > 「教えて!Web」の運用開始後、軌道に乗るまでどのような施策をされましたか。
リリース前後にまずはテクニカルソリューションセンターの中であらかじめQ&Aを投稿し、利用価値のある仕組みであると理解してもらうようにしました。具体的には、テクニカルソリューションセンターのエンジニア約100名の全員が、実際に拠点から電話で問合せを受けたやり取りをQ&Aで投稿するようにしました。ですので、オープン前後で1,000件ほどのQ&Aがすでに蓄積されており、各拠点の技術者らが「教えて!Web」にアクセスして実際に活用できるということを実感させました。
Question > Q&A数が開始時点で1,000件とはすごいですね。その他に工夫された点はありますか。
活用してもらうように徹底するため、拠点エンジニアからの問合せに対して積極的に「教えて!Web」へ誘導しました。さらに、拠点のマネージャに毎月の利用状況をレポートしており、不活発な拠点には利用を喚起するなどしました。
Question > 現在ではどの程度利用されているのでしょうか。
月間で300件から400件の質問が投稿され、ほとんどの質問には1、2件以上の回答がついています。また、自分では質問を投稿せずに見るだけで解決している人も多いので、Q&A閲覧数は月間3万PVほどになっています。
Question > 利用者はどの程度なのでしょうか。
当初テクニカル部門の600名ほどで開始しましたが、現在ではアプリ部門やCAD部門など、社内の全技術部門へと広がっています。人数的には技術部門以外の隣接部門のスタッフも含まれますので2,700名ほどが参加しています。
Question > 人数が増えることで、運用面での苦労もあるのではないでしょうか。
運用に当たっては、カテゴリ設定において、設置したカテゴリに対する責任部署を置くようにしています。当社で取扱っている製品分類に基づいて「教えて!Web」のカテゴリ設定を行っていますので、あるカテゴリに質問が入れば、回答がつかない場合には担当する部署が責任を持って回答する、という運用ルールにし、回答がつかない、ということを極力避けています。
Question > 導入当初と現在で、変化したことはありますか。
導入当初は、拠点のエンジニアからは質問投稿はあったものの、回答に責任をもてない、という考えからなのか回答投稿は少ない傾向がありました。現在では運用に慣れたこともありますが、むしろ現場でしか分からないような質問も増えてきたことで、拠点のエンジニア同士のQ&Aも数多く取り交されています。現在では半数くらいがそうなっていますね。
Question > 導入効果としてはいかがでしょうか。
導入前の問合せ件数等の定量的なデータはとっていなかったため、効果測定が難しいのが残念なところですが、感覚的には似たような問合せが減るなどの効率化やナレッジの共有化が図られるなどの効果が出てきていると考えています。また、意見を吸い上げるために年2回利用者アンケートを取っていますが、概ね高評価を得ています。
Question > さて、今後は「教えて!Web」をどのように使っていきたいですか。
今取組んでいることでは、スマートフォン等のモバイル端末で利用できるようにし、利用場面を拡大し、さらに利用効率化を図っていく考えです。
Question > 今後の展開に向けての課題やOKWaveへの期待はございますか。
リリース前後にまずはテクニカルソリューションセンターの中であらかじめQ&Aを投稿し、利用価値のある仕組みであると理解してもらうようにしました。具体的には、テクニカルソリューション現在では質問数が約17,500件、回答数が24,000件以上と、かなりのナレッジが蓄積されていますので、より検索しやすい仕組みを提供したいと考えています。OKWaveさんにはその点も期待しています。何よりも、使ってもらえないと利用価値も伝わりませんので、使ってもらえるような施策を今後も行っていきたいと考えております。

■同じような問い合わせが多かった:事業拠点から本部(テクニカルソリューションセンター)には、同じような問い合わせが多く、本部の負荷が大きかった
■ナレッジ共有の共通の仕組みがなかった:テクニカルソリューションセンター各課に独自施策はあったものの、それらを全体で共有する仕組みとルールがなかった

■本部の負荷軽減:同じような問い合わせが「教えて!Web」上で解決できるようになり、本部の負荷軽減につながっている ■ナレッジ共有の仕組み化ができた:「教えて!Web」の運用ルールを定めることで、情報が集約されるようになった
|






