2019.5.17 コラム / 特集

【世界のサポート事情】「移民大国」のサポートとは?~カナダ編~

カナダは移民大国と言われるほど、様々な国の人がいます。国、宗教、文化によって違ってくるサポート事情ですが、カナダの場合はどうなっているのか気になりますよね。そしてこれから多くの外国人と向き合う機会が増え続けている日本が学べることもきっとあるでしょう。

今回は、カナダに8年間の在住経験を持つ弊社社員のYさんにいろいろ話を聞きました。

カナダのサポートチャネルの種類と特徴

Yさんは、トロント、バンクーバー、ハリファックスの3都市で合計8年間在住していました。トロントは、カナダ最大の都市で、人口が最も集中している場所でもあることでアジアやヨーロッパの国々の文化が共存しています。バンクーバーも2010年冬季オリンピックが開催された場所として有名で、みなさんの記憶に新しいと思います。ハリファックスは、カナダ大西洋岸地方最大の文化・経済の中心都市でもあります。さて、長く在住したYさんが体感したカスタマサポートは、どのようなものだったのでしょう。

まず、カナダでよく使われているサポートチャネルは、電話、メール、チャットツール、テキスト(ショート)メッセージ、フォーラム(掲示板)の5種類があるそうです。
携帯キャリア、銀行、航空会社などメジャーな企業は電話、Live Chat(※)対応が主流とのこと。その中でも、Live Chatをお問い合わせページの中で大きく表示し、電話受付は小さく、または端に表示させるところが増えてきているようです。ただし、高齢者に需要の高いビジネスでは電話対応がまだまだ主流であり、若者向けのビジネスでは電話対応がなく、チャットとショートメッセージのみのサポート体制を組むところもあります。もちろんメールやフォーラム(掲示板)でのサポートもありますが、対応が電話やLive Chatに比べて遅いため、見積もりや抽象的で比較的急を要さない問い合わせに使われる傾向があるそうです。彼女がサポート担当として勤務していた会社でも、メールへのプライオリティーは電話やチャットに比べて低かったとのこと。

※Live Chat:オンラインの接客チャットツール(ここではほとんどが有人チャット)

Yさんが受けたサポートと、感じたことをいくつかご紹介します。

・携帯キャリア会社はチャットでよくやり取りをした。理由は
①電話より繋がりやすい
②片手間に連絡できる
③自分の英語または相手の英語の聞き取りが電話では困難なことも、チャットだと問題なし(カナダは移民国家のため、サポートの訛りも様々で当たりはずれがあるという。)

・銀行は直接店舗窓口に行くと混んでいたり、内容によっては担当者がいなかったりするので、予めネットで窓口相談の予約を取ることができて便利だった。

・航空会社の電話が繋がりにくかったが、電話番号を入力しておくと、折り返し連絡してくれるコールバックサービスを使ったが、想像していたよりも早く連絡が来て、長い保留や待ち時間にイライラすることがなかった。

最近の日本でも、電話よりチャットを好む「チャットネイティブ世代」が増えているため、わりと近いサポート環境ではないかなと感じます。ただし、カナダは移民が多いため、言語の訛りに依存しないチャットが多く利用される、というのは、面白いですね。

日本のカスタマサポートとの違い、優れた点とイマイチだなと感じた点は?

日本のカスタマサポート:マニュアル通り確実でお堅い
カナダのカスタマサポート:親しみがあり、けど雑&適当

日本より優れているなと感じたところ
カナダのサポートは、比較的柔軟性が高く、温かみを感じる。日本はマニュアル通りのサポートやサービスしか提供しない傾向がある。
これはサポートとは異なるのですが、アイスコーヒーやティーを氷抜きで頼むと、氷ありの場合の分量ぴったりに作るので、できあがりはカップの2/3以下くらいになる。カナダでは氷抜きにしても、いつもカップ満杯にいれてくれたそうです。 マニュアルを重視することで公平さを保つことができるのはわかるが、ロボットのような接客に出くわすことが多いと感じてしまうこともある。もう少し柔軟性と温かみがあったら嬉しいなと感じたそうです。

こちら、以前紹介した日本と中国のカスタマサポートの違いともちょっと似ていますね。マニュアルすぎる部分はもちろん難しくはないが、一部の国の人からすると、融通が利かない、感情が薄いと捉えてしまう場合もあります。これからたくさんの外国人観光客や外国人労働者を受けいれる日本にしては、少し考えないといけない問題かもしれません。

日本よりイマイチだなと感じたところ
丁寧さ、スピード、教育面では日本の方が間違いなく上のイメージ。カナダでは、スタッフ同士がぺちゃくちゃおしゃべりしていて、客が待ちぼうけを食らうことも少なくない。電話とメールのサポートが繋がるまでの待ち時間はカナダの方が圧倒的に長いと感じる。もちろん対応や質のいいサポートを提供するスタッフもいるが、とにかく当たりはずれが多い。サポートに連絡して、返答がAだとしても、再度連絡して違うスタッフに聞くと返答がBだったりすることは少なくない。
重要なことは2回連絡して間違ってないか確認するようにしていた。最初はありえないと思っていたYさんだが、のんびりした国なので郷に入っては郷に従えだと思って受け入れていたそうです。

移民大国のカナダに、これからの日本が学べることとは?

今、多くの観光客を呼び込むことに注力している日本ですが、一次的在留の訪日客のほか、この先、労働者不足、少子高齢化が進む中、カナダのように移民体制を本格的に導入する時期がくるでしょう。ちなみに、OECD(経済協力開発機構)の発表では、2016年に約43万人が移住(一時訪問者やビザによる再入国を除く外国人入国者)している日本は、すでに世界第4位の「移民大国」だという結果が出ています。
この先の話のようで、実はかなり環境や顧客構造の変化が迫っている。多様性に向き合えるカスタマサポート体制が「一歩先の満足」を実現させる一つのキーでもあるでしょう。
今すぐカスタマサポートの現場で差別化、多様性を取り込むことが難しくても、国、地域別のFAQページを設置し、AIチャットツールなどを導入するだけでも、一つの進化です。

おわりに

Yさんがサポートとして勤めていた会社では、宗教によってはクリスマスを祝わない宗派もあるので「Merry Christmas」ではなく「Happy Holiday!」と言うよう、書くようにと教育されたそうです。日本ではそういったケースを聞かないためびっくりしました。(笑)

さて次回は、どの国のサポート事情を紹介するのか?!お楽しみに!

この記事の執筆者

サポツウ!編集部

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