2018.8.27 サポート豆知識

ナレッジセンターサービス(KCS)~新しいナレッジの考え方~ 【第3回】

近年、ナレッジセンターサービス(KCS)を取り入れ、実践する企業が増えています。KCSに必要な考え方やその効果とは?HDI-Japanの山下さんより解説いただきます。(全4回)
※過去の記事はこちら 【第1回】 【第2回】

KCSではサポートスタッフがナレッジ担当者

投資対効果の高いナレッジ活用を行うために、KCSでは問合せを受けたスタッフは、まずナレッジを検索します。そしてナレッジになければ解決策を作成して直ちにナレッジコンテンツとして登録します。したがって同じ問合せ2回目以降は必ずナレッジが存在することになります。そのナレッジを見て次のスタッフは対応しますが、ナレッジをうのみにするのではなく、活用できるか考えます。もし何らかの修正点を発見したら、直ちに修正を加えます。こうした作業を繰り返していくと、まずセンター内の重複作業がなくなります。そしてナレッジは利用とともに改善され品質が高まっていきます。あるレベル(例えば5回見直し後など)に達したコンテンツは、FAQで顧客に向けた公開コンテンツの候補としてもよいでしょう。このKCSの手法はナレッジの投資対効果が非常に高いものになります。

サポートセンターは重複作業ばかり

サービスイノベーションコンソーシアムの調査ではサポートセンターの作業の60~80%は従来型ナレッジに端を発する重複作業の繰り返しと言われています。つまりこの重複作業がなくなればセンターの生産性は大変改善されることになります。KCSがこれを実現できるのです。KCSでは問合せ対応ごとに、必ずナレッジを検索します。しかも顧客の状況に合わせ何度も検索します。またセンターが知っていること、企業が知っていることを確認するためにも何度も検索します。したがって従来のコール対応作業に比べると、一見作業時間が長くなるように思われます。しかし60~80%の重複作業の消滅により、検索作業が増えても、圧倒的な生産性改善が見られます。

センタースタッフのモチベーションが向上する

従来型ナレッジのみでは、センタースタッフは重複作業の繰り返し、つまり日々同様な作業の繰り返しとなります。しかしKCSではすべてのスタッフがナレッジ従事者として、クリエイティブな作業を進めることができ、またナレッジの追加、修正の権限も委譲され、頻繁に学習と自己研鑽の機会が得られ、他スタッフの学びにも触発され高いチームワークと共に、従来の電話対応業務とは比較にならない高いモチベーションが維持できます。またKCSではナレッジを作成する、修正するなど、ナレッジに貢献した人ほど、報奨、表彰の対象としています。これも大きなモチベーション要因となります。

次回はKCSを実装するにあたっての各役割や効果的なセルフサービス、AI/チャットボットへの影響についてご紹介します。

【ご案内】KCSを深く学びたい方はぜひトレーニングをご受講ください。
・KCSファウンデーション(KCSF) 1日間 2019年2月開催予定
・KCSプリンシプル(KCSP) 3日間 10/2(火)~10/4(木)開催
https://www.hdi-japan.com/hdi/certification/Trainingcourse.asp

この記事の執筆者

山下 辰巳(HDI-Japan 代表取締役 CEO)

山下 辰巳(HDI-Japan 代表取締役 CEO)

HDI-Japanは日本のサポート業界の要請に応え、世界のHDIと同じコンセプトで2001年に設立、2006年からHDI問合せ窓口格付けを開始し、様々な業界で活用されるようになりました。現在はサポートセンターの発展とともに新しいナレッジの考え方の普及に取組んでいます。
URL:http://www.HDI-Japan.com

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