2018.9.21 サポート豆知識

ナレッジセンターサービス(KCS)~新しいナレッジの考え方~ 【第4回】

近年、ナレッジセンターサービス(KCS)を取り入れ、実践する企業が増えています。KCSに必要な考え方やその効果とは?HDI-Japanの山下さんより解説いただきます。(全4回) ※過去の記事はこちら 【第1回】 【第2回】【第3回】

KCSでも誰でもコンテンツを登録でき、修正できるわけではない

KCSの考え方は、常にナレッジを検索し、顧客向けの対応策がない場合には、それを発見作成した人がナレッジコンテンツを作成し、また修正が必要と感じた人が直ちに修正をするジャストインタイムの考え方で、問合せが来るかもしれないので先に準備しておくジャストインケースの考え方ではありません。しかしナレッジコンテンツを記述するには、他の人にもわかりやすく作成するため、コンテンツスタンダードを作成し、これに準拠して推進します。したがってこのコンテンツスタンダードを習熟できるまでは、コンテンツの記載や修正はできません。このレベルの人をKCS候補者と呼びます。しかしKCS候補者でも問合せ内容のみの記述や、修正が必要と考えられるコンテンツにフラグを立てることはできます。そしてコンテンツスタンダードに習熟し、KCSコーチの指導の下にコンテンツのモニタリングに基づく指導を受けたのちに、作成、修正の権限を持ちます。このレベルの人をKCS寄稿者と呼び、一人前となります。さらに習熟度が上がると、センター外への公開権をもつKCS公開者となります。そしてこれらの人々を指導するKCSコーチ、ナレッジの品質を監視するナレッジドメインエキスパートを含めて、KCSライセンスモデルを導入します。

効果的なセルフサービス

サポートセンターは日々顧客からの問合せを受けています。KCSでは問合せの多いものほどナレッジをよく確認し、またナレッジの品質が向上しますので、一定回数(センター毎に5回、8回のように決める)見直しされたら(利用されたら)顧客向けのFAQとしていきます。これは問合せ数がピークを迎える前のことも多々ありますので、FAQとして公開すると顧客にもよく利用されることになります。またKCSでは顧客の状況を含めてコンテンツが記載されますので、顧客視点で使いやすいFAQとなっています。なおFAQとして公開するには、センタースタッフだけでコンテンツを作成しているので心配があると考えるかもしれません。その場合には公開前に技術面についてはテクニカルチェック、ポリシー面ではコンプライアンスチェックを、それなりの部門に依頼すれば問題は解決できます。

AI/チャットボットへの影響

最近AIやチャットボットの活用が話題になっていますが、これらの新技術もベースにはしっかりとしたナレッジがビッグデータとして存在していなければ能力を発揮できません。そして顧客の問合せに対応しようとするならば、従来型のナレッジでは機能せず、KCSで顧客の状況やセンターアナリストの経験値を加えることが求められます。日本では採用難や定着率の問題から、人に変わってAI/チャットボットを検討しているケースが多いようですが、これらの理由は主にサポート提供側のもので、顧客の求めるものではありません。海外でのAI活用は、主にサポートアナリストを支援し、顧客により早くより求められる情報を的確に提供し、顧客とのロイヤリティや満足度を高める目的に使われています。人に代わるではなく人のための新技術を考えたいものです。

【ご案内】KCSを深く学びたい方はぜひトレーニングをご受講ください。
・KCSファウンデーション(KCSF) 1日間 2019年2月開催予定
・KCSプリンシプル(KCSP) 3日間 10/2(火)~10/4(木)開催
https://www.hdi-japan.com/hdi/certification/Trainingcourse.asp

この記事の執筆者

山下 辰巳(HDI-Japan 代表取締役 CEO)

山下 辰巳(HDI-Japan 代表取締役 CEO)

HDI-Japanは日本のサポート業界の要請に応え、世界のHDIと同じコンセプトで2001年に設立、2006年からHDI問合せ窓口格付けを開始し、様々な業界で活用されるようになりました。現在はサポートセンターの発展とともに新しいナレッジの考え方の普及に取組んでいます。
URL:http://www.HDI-Japan.com

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