2018.10.26 サポート豆知識

消費者の信頼損失リスクが企業を脅かす【第1回】~皆さんの会社は大丈夫ですか?~

日々おきている企業の不祥事

昨今、品質問題やリコールなどで消費者の安心・安全を脅かす事件・事故が多発しており、ニュースなどで目にすることも多いですね。こういった案件では問題を起こしたことではなく、発生した問題への企業の対処のまずさからマスコミに「不祥事」として大々的に取り上げられ、その企業がさらに大きなダメージを受けることがあります。

・隠ぺいや情報開示の遅れ
・はじめにお知らせした内容に不備があって後から止む無く修正したり、内部通告とお知らせ内容が不整合を起こしていたり

また、情報通信ネットワークの発展に伴って、個人情報の大量流失、名誉棄損や著作権侵害、e-コマースにおける詐欺行為やサイバー攻撃など情報セキュリティ問題も深刻化しており、我々は日々リスクに取り囲まれて生活をしている状況です。

企業リスクの洗い出しはできていますか?

事業活動を行ううえで、企業は常に様々なリスクを負っています。 リスクマネジメントの意味は広義に渡りますが、事業運営におけるリスクマネジメント(危機管理)手法の活用は経営にかかわるリスクから企業を防衛することが目的となります。 企業においては主に「社内リスク」と「消費者損失リスク」に大別されます。 社内リスクの事例はチャートの4点が代表的なものです。

 1.従業員の不正行為や法令違反
 2.パワハラや不当労働などのスキャンダル
 3.資産運用失敗や為替変動など財務上リスク
 4.環境汚染や知的財産権の侵害などの賠償問題

これらの問題が発生した場合、株価や企業ブランドイメージへ影響しますが、消費者に直接被害が及ばないため、いずれは消費者の記憶から薄れてしまいます。

一方で、カスタマーサービスに携わる皆さんが注意すべきなのが「消費者損失リスク」です。品質不良・製品の欠陥やサービスの不備による消費者クレームのリスクは、直接自社顧客や消費者へ影響するために、その対応が誤っていた場合、企業への信頼を失うことになりますよね。その結果、顧客を失うことで企業活動の源泉となる売上・利益に直接影響を及ぼします。製品やサービスで発生する問題をゼロにすることはできません。起きたときの市場対応を常日頃から高いレベルで維持しておくことが必要です。

近代型リスクの脅威にさらされている

さらに、昨今は近代型リスクへの対処が重要なのはお分かりだと思います。ネット人口1億人、その70%がSNS利用との報告からSNSを念頭においたリスク対処が必要ですね。とくに拡散・炎上のスピードと規模に企業がついていけない状況にあるということです。一顧客の情報発信に、同情とともに次々と企業批判の投稿がSNSに寄せられるといういままでにない事態が起きています。炎上しているのを企業が気づく前にメディアが察知して、真実ではないものであっても、本当であるかのような問題として扱われてしまい、事実確認や対応策を準備する前に炎上してしまう。さらにお客様対応の一部始終がネットにあがり、その対応のまずさが炎上を大きくしてしまいます。 昨今、さまざまなニュースがこの流れとなっていることは「明日は我が身」という危機感をもたなくてはなりませんね。

リスク対処は経営層の意識の有無がカギ

多くの企業ではこれらリスクに対して無防備な状態です。

 ・経営者がリスクの存在を認識していない
 ・リスクをコストとして認識していない
 ・安全を人的依存にすりかえている(注意をしていれば事故は起こらない)
 ・危機管理マニュアルの未整備(企業に内在するリスクの予見と分析がない)
 ・過去に事故や不祥事を起こしとりあえずその場はしのいだが、その経験を今後 の対応策へ活用できておらず、再度問題が発生したとき、その場の社員が右往左往しながら対応している

こうしたリスクにかかわる意識や対応の欠如は、ひとたびリスクが発生した際には、企業の存続すら危ういものにします。こういった事態を防ぐためにも、リスクマネジメントが求められています。企業は事業を行ううえで、お客様にご満足いただくことを最優先のテーマとして位置付け、高品質な製品やサービスが提供されるよう、業務プロセスにはさまざまな配慮や工夫・コストをかけて取り組んでいます。これは事業の基本ですが、事業に「ヒト」が関与している以上、製品品質や提供サービス上での問題発生を「ゼロ」にすることはできず、さまざまな企業でもリコールを行っています。 何かが起こったときに適切かつ迅速に対応できれば、企業に対する評価が向上する場合がありますが、それを誤ると厳しく評価され、企業の信頼と信用が低下し、売り上げや経営にも大きく影響を与える場合があります。 製品品質や提供サービスで問題がおきた場合の対応策を組織としてあらかじめ整備しておき、いざというときにそれぞれの担当部門が役割と責任を理解して素早く準備し、社会と消費者に誠実な企業のメッセージと姿勢を提示すること、また一貫したお客様対応を行うことにより、そのブランドと信頼を守ることができます。

・・・みなさんの会社におかれてはいかがでしょうか?

さてこういった環境のなか、企業はどう対応していけばよいのか、このあと2回にわたりそのポイントを考えていきたいと思います。

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この記事の執筆者

斎藤 猛(ソニーマーケティング株式会社 カスタマーコミュニケーション事業室)

斎藤 猛(ソニーマーケティング株式会社 カスタマーコミュニケーション事業室)

ソニー製品の国内マーケティング事業において、製品品質問題やお客様対応における消費者クレームリスクマネジメントの実践ノウハウをもとに、企業のリスクマネジメント体制の構築を支援し、お客様との良好なリレーションシップの実現による顧客満足度の向上に貢献しています。
URL:https://www.sony.jp/support/cs-biz/

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