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コールセンターの「レジリエンス」を育てよう【第2回】

2018年12月14日
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自分なりの「区切り」を持つこと

苦しいことがあっても、凹んでも沈みこんでも、再び起き上がる力、回復する力が「レジリエンス」です。「レジリエンス」は、誰もが持っています。そして、しなやかでより丈夫な「レジリエンス」を育てることができます。
ストレスなしでは過ごせないコールセンターです。コールセンターで働くすべての人が「レジリエンス」の重要性を知り、「ストレスにさらされてネガティブ感情に覆われたとき、自分のネガティブ感情に気づき、『瞬間的に対処する力』を身につけること」と、「逆風が吹いても折れずに立っている木には、地面の下に根を張り栄養を摂っているように、『レジリエンスの基礎(根)』をつくること」の両側面から、レジリエンスを育てる方法を数回に分けてご紹介します。第2回は、ストレスにさらされてネガティブ感情に覆われたとき、自分のネガティブ感情に気づき、『瞬間的に対処する力』のひとつとして「区切り」の入れ方についてのご紹介です。
※過去の記事はこちら 【第1回】

「区切り」の入れ方、持っていますか

電話応対の合間に、区切りをいれましょう。「クレームになってしまった。お客様から理不尽なことを言われた。SVに質問したら怒られた」など、ネガティブ感情を感じることが少なくありません。ネガティブ感情を感じるほどではなくても、「長引いた電話で疲れた。電話が混み合っていて、一息がつけない」ときもあります。緊張感や不快感をずっと持っていては、心も身体も一層疲れてきて、集中力も途切れます。ストレスを抱えたままにしないで、小さいうちに対処しておくことが必要です。嫌な気分を持ち続けないために、ストレス対処術を身につけておくのも、コールセンターで働く人のレジリエンスには欠かせないことです。
「ハッピー・コミュニケーション・ワークショップ=通称:ハピコミ」で、みんなで語り合いましょう。区切りの入れ方を、「五感」から考えてみます。「視覚」見て気持ち良くなるもの、風景、色は何ですか。「聴覚」耳に心地いい音、声、音楽は何ですか。「嗅覚」好きな匂いはどんな匂いですか。「味覚」好きな食べものは何ですか。「触覚」触っていると落ち着く、気持ちいがいいものは何ですか。これらを紙に書き出してみましょう。

書き出す

例)白い紙に、五ヶ所の枠をつくります。
枠線なしで、箇条書きにするのもいいです。自由に好きなように書いてください。

思い浮かんだものを、どんどん書いていきます。「私は、何が好きかな、何が心地いいのかな」と自分に問いかけます。ペットのねこ、グレーの毛並みが美しくて好き(視覚)、触っていると温かくて気持ちいい(触覚)と、重なってもいいです。両方に書いておきましょう。
地方のコールセンターにいくと、私は必ず空を見上げます。空が広いので気持ちいいのです。どこまでも続く広い空を見ていると、自分が抱えている悩みなど、たいしたことないかもしれないと思えてきます。気持ちが浄化されていくような気分です。すると、昔旅した田舎町の濃い水色の空が思い出されてきます。そのときの冷たい空気(触感)や、草の匂い(嗅覚)までよみがえってきます。
こうしてシートに向かっているときは、自分と対話しているときです。思い出しているこの瞬間がポジティブ感情を味わっているときです。じっくりと味わってください。この時間を大切にしましょう。色鉛筆やクレヨンを用意して、絵を描くのもいいでしょう。

語り合う

書いたシートを持ち寄り見せ合って、仲間と紹介し合います。このときに大切なことは二つ。一つは話し手のとき。自分が聴いてほしいこと、話したいことだけを話します。質問されて答えたくなかったら、答えなくてもいいのです。パスありです。「パスします」と言いましょう。もう一つは聴き手のときです。話し手の話をきちんと「聴く」ことです。評価も批判も不要。好意的な興味関心を持って聴きます。質問したいことがあったら、たずねてみましょう。
聴いてもらうことで、自分の好きなこと・癒されることが明確に表われてくるでしょう。聴き手から質問されることで、さらに自分との対話を深めることができそうです。
メンバーチェンジしながら語り合いを進めていくと、共通点のある人がいたり、「私もそれ、好きだった」と忘れていたことを思い出したりします。「ハッピー・コミュニケーション・ワークショップ=通称:ハピコミ」はここまでです。

使う

「五感」から見つめた「自分の好きなこと、心地よくなること」を、業務中に「区切り」を入れるために使います。香りのお茶が好きなら、水筒に入れておきます。応対に疲れを感じたとき、鼻で匂いを嗅ぎ、舌で味わいます。「お茶」に集中しましょう。ほんの数十秒でも気持ちの切り替えに効果をもたらすひとときです。
ペットの猫は、いまここにはいませんが、脳内シミュレーションです。グレーの艶々とした毛並みを思い出し、温かな身体を手で撫でていることを想像します。脳が癒されてきます。好きな音楽を脳内に流してみましょう。歌のフレーズが、自分への応援の言葉として語りかけてくるかもしれません。
他に、「深呼吸」も区切りに使えます。「立ち上がって歩き、トイレに行く」「洗面台の鏡に映る自分に微笑みかける」「机の下で、足のかかとを上げ下げして動かす」も区切りに使えます。自分なりの「区切り」の方法を数多くみつけ、ぜひ実践してください。

絵本でひとやすみ

『なぞなぞのたび』(なぞなぞ:石津ちひろ、絵:荒井良二、フレーベル館発行)
表紙カバーをめくると書かれています。「人生はなぞなぞだらけ。世の中もなぞなぞだらけ。さあ、ぼくと一緒になぞなぞの旅に出よう!」楽しい旅に出られる絵本です。
学校の様子が描かれているページです。「くるくる自由に動かせるボールのような丸い地図。さて、いったいなあに?」夏の海辺の絵です。「これさえあれば、昼間でも夜の気分が味わえる。さて、いったいなあに?」「さて、いったいなあに?」と聞かれるとうれしくなります。どのページをめくっても、思わずニコッとしてしまいます。肩の力が抜け、区切りが入れられること、間違いなしです。

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この記事を書いた人

奥 富美子(国家資格キャリアコンサルタント)

奥 富美子(国家資格キャリアコンサルタント)

「コールセンター20年×研修企画・講師30年×キャリアコンサルタント12年」の実績掛け算で、働く人・働きたい人のキャリア支援をしています。「コールセンターにキャリアコンサルティングが導入され、コールセンター就業経験がキャリア発達に有益であると評判になり、コールセンターにポジティブ・イメージを抱く人が増える」社会を目指しています。
URL:https://www.career-as.com/

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